オンライン配信プログラムのシリーズ企画「貸館を考える」。
令和５年度に続く第二弾として、「令和6年度 劇場・音楽堂等の活動状況に関する調査」から「貸館」に関する設問回答の集計結果報告と、北上市文化交流センター さくらホールfeat.ツガワの貸館事業の先進事例を基に、公立文化施設を未来志向で捉えた「貸館」について、考察を試みます。
「貸館」が“業務”になってしまっていませんか？「貸館」を施設固有の“事業”にしていきませんか。

講師：千葉 真弓　(一財)北上市文化創造 企画事業課 プロデューサー
山本 達也　(公社)全国公立文化施設協会 課長

アウトリーチは、普及事業として地域と劇場・音楽堂との回路を開くだけでなく、人と地域を活性化するコミュニティプログラムとしても期待されています。子どもから高齢者、障害者や社会問題を抱える市民まで、多様な人たちがアートを媒介に出会い、ふれあい、共感することで、活力と創造力が引きだされ、豊かな社会の構築へと向かっていきます。文化政策、事業担当、アーティスト、3つの視点からこれからのアウトリーチの方向性を探ります。

講師：柏木 陽　NPO法人演劇百貨店 代表/演劇家
松岡 優子　荒尾総合文化センター ディレクター、(有)ステージ・ラボ プロデューサー
大澤 寅雄　合同会社文化コモンズ研究所 代表・主任研究員

モデレーター：水戸 雅彦　(公社)全国公立文化施設協会 コーディネーター

東大阪市文化創造館では市民演劇プロジェクトの一環として、オリジナル市民ミュージカルの制作、そして公演が行われた。全国でも地域文化を題材にした舞台を制作する試みは数多く行われている。
今回は、舞台芸術のプロ集団と市民が舞台芸術作品を創造する際の協働作業のあり方について、また比較的長期間に渡り制作を継続できる環境を整えることができた点、等、今回のミュージカル制作の概要、特徴、課題をプロデューサーの視点で解説し、全国における文化創造の取り組みの一例として紹介し、参考例としていただきたい。

講師：阪本 洋三　(公社)全国公立文化施設協会 アドバイザー
渡辺 昌明　東大阪市文化創造館 館長
若菜 純一　東大阪市文化創造館 副館長

「誰ひとり取り残さない」近年いささか言い尽くされた言葉ですが、そのような活動を劇場・音楽堂が積極的に取り組んでいるかと言えばそうともいえない。従って、社会的価値の可視化ができない現状です。劇場・音楽堂は地域社会を構成する機関としてどのような貢献が必要でしょうか。単なる協働を超えたコレクティブ(集合的)な関係を築くことを、子ども食堂と劇場・音楽堂の実践事例から学びます。

講師：第一部　
湯浅 誠　認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ 理事長
西川 紗祐未　NPO法人クロスフィールズ Co-Create 事業推進マネージャー

モデレーター：柴田 英杞　(公社)全国公立文化施設協会 アドバイザー

総務省では、⼈⼝減少等により、公共施設の利⽤需要が変化していくことが⾒込まれるため、「将来的に不要となる施設を選別」すること、すなわち「トリアージ」を検討し始めている。
「トリアージ」の時代を迎えようとしている公⽴⽂化施設のサスティナビリティを参加者とともに議論することが本講義の⽬的である。

講師：太下 義之　(公社)全国公立文化施設協会 アドバイザー
岸 正人　(公社)全国公立文化施設協会 専務理事兼事務局長

劇場の施設や設備は、⽇々確実に劣化をしていきます。その劣化具合が⼀定の限度を超えると劇場は、果たすべき使命を満⾜できなくなるだけでなく、劇場にかかわる⼈々や活動、事業、存在や価値に⼆次的な損害を与えることになります。そのことを防ぐためには発⽣するリスクを適切に認識し、確実な措置を⽇頃から⾏っていく必要があります。ただし、そのための措置は、劇場の未来を⾒据えたものである必要があります。

講師：草加 叔也　(公社)全国公立文化施設協会 アドバイザー

自治体文化政策は、自治事務であることから条例、基本計画、審議会の三つが不可欠である。しかしその所掌する分野が、現実の地方自治体では劇場・音楽堂、公民館、博物館、図書館、地域振興、文化財行政など多岐かつ広範囲にわたるため、ともすると担当部局がばらつくなどの混乱も生じている。
この研修では、それらを俯瞰しながら、市民文化政策、都市活性化のための文化政策、文化財保存活用政策など、それぞれの理論的根拠と実例を紹介する。それらを通して、自治体文化政策の基本的な視野を獲得する事を狙いとする。

講師：中川 幾郎　(公社)全国公立文化施設協会 名誉アドバイザー
松本 茂章　(公社)全国公立文化施設協会 コーディネーター