会長ご挨拶

日頃より当協会の運営にご協力をいただきありがとうございます。
研修に先立ち、この度の能登半島地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、地震で失われた大切な命に対し、深い哀悼の意を捧げます。被災された施設や関係者、地域の皆さまが一日も早く日常を取り戻せるよう心より願っています。
コロナ禍は、昨春に感染対策が緩和されましたが、まだまだ一定数の感染が続き公演等の中止も散発しています。加えて、地震や地球温暖化に因ると見られる豪雨等の自然災害、世界的な政治情勢の不安定化、それらに伴う光熱費を始めとした諸物価の高騰や為替の著しい円安傾向など、舞台芸術や地域の劇場・音楽堂等を支える社会環境や経済状況は大きな変動期を迎えています。
全国劇場・音楽堂等職員アートマネジメント研修会は、文化庁から受託する「劇場・音楽堂等基盤整備事業」の中核をなす研修会であり、全国の職員の能力の向上を通じて地域の劇場・音楽堂等の活性化を図ることを目的としています。
今回の研修では新たな切り口による配信５講座に加えて、公開フォーラムの収録、再構成した人材養成講座の配信、そして対面によるワークショップ２プログラムと、講義内容に応じた組み立てとなっています。
この研修が、各施設の運営や事業展開の参考となり、地域における劇場・音楽堂等の役割やあり方についても改めて見つめ直す一助になればと願っています。
最後になりますが、研修会を開催するにあたり、ご尽力いただきました企画委員や講師の皆様に御礼申し上げますとともに、劇場・音楽堂等で働く皆様にはくれぐれも健康に留意され、引き続きご活躍されますことを心より願っております。

（公社）全国公立文化施設協会 会長
野村 萬斎