よくある質問

公立の劇場・音楽堂等の「事業運営」について

Q14. 障害のある方などにも鑑賞型自主事業を楽しんでもらいたいと考えています。そのためにはどのような工夫や配慮が必要でしょうか。

障害のある方の多くが公立文化施設に慣れていません。館側は、動線の確保や席の配置など十分な安全対策をとるとともに、鑑賞サポート体制などを整備する必要があります。ただし、障害者といっても障害の種類や度合いは様々で、望ましいサポートの仕方などは異なります。事前に障害者ケアやサポートについて専門知識・ノウハウを持つ団体や専門家の助言を仰ぐことも必要でしょう。そうした連携から、広報・宣伝面でもそれら団体のネットワークの活用ができ、障害者の鑑賞機会拡大につながります。

 事業実施での工夫としては、聴覚障害者の舞台鑑賞であれば、舞台の進行に合わせたリアルタイム字幕(要約筆記)や、字幕より手話のほうがわかりやすい人のために手話通訳などを配置します。視覚障害者に対しては、音声ガイドの提供や点字版パンフレットの制作などが考えられます。また、盲動犬を連れての来場を想定し、館敷地内に補助犬用簡易トイレを設置したり、補助犬が他の観客に踏まれないように最前列の座席やスペースがゆったりとした席に案内するといった配慮も必要になってきます。さらに、世田谷パプリックシアターでは、公演の期間中に視覚障害者のための舞台説明会付きの回を設け、開演前に舞台装置の位置や形状、役者の登場位置、衣装などについて説明するという取組も行なっています。

 また、知的障害や発達障害のある方は感覚が鋭敏で、公演中の暗闇や大きな音に恐怖を感じて、声を出してしまうことがあります。そこで、国際障害者交流センター「ビッグ・アイ」では、知的・発達障害者向け劇場体験プログラムを年数回実施しています。映画や音楽、オペラの公演・上映を実際に体験してもらいながら、その雰囲気や鑑賞のルールに慣れてもらうプログラムです。例えば、客席の明るさを最初は6割程度、2回目が5割、3回目は3割と段階的に暗くして、公演・上映時の暗さに慣れてもらう。開演前の1ベルや2ベルについても、それぞれの音の意味を説明し、「これからブザーが鳴らします」と伝えてから鳴らして、体験してもらう。このような体験を繰り返すことで、知的障害も発達障害の人も、劇場・ホールでの舞台鑑賞や映画鑑賞が楽しめるようになっていきます。

 加えて、出演者の協力が欠かせません。客席に障害者の方がいることはもちろん、「公演中の出入りが多くなる」「演奏中・演技中に客席から声があがることもある」「手話・字幕がある」「照明や音響の調整をすることがある」など、前もって出演者に知らせて、理解してもらうことが重要なポイントになってきます。

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