よくある質問

公立の劇場・音楽堂等の「事業運営」について

Q7. 自主事業実施で著作権について注意するべきことはありますか?

劇場・音楽堂等の事業運営の多くのさまざまな場面で出会う法律が、著作権や肖像権です。例えば、自分たちが主催者となった公演を撮影して後日ロビーで流す、インターネットで見つけた主演俳優の写真をポスターに使う、前回公演を褒めてくれた新聞記事をチラシに掲載する…。これらはいずれも、著作権や肖像権の侵害にあたり、許可なしにはやってはならないことです。

権利関係の法律は複雑ですが、ここでは、ごく基本的な概略を説明します。

①著作権

著作物を創作した人等の権利を守り、著作物が正しく利用されるようにすることを目的にした法律が著作権法です。

同法でいう著作物とは「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法2 条1 項1 号)と定義され、具体的には、小説・脚本・公演等、音楽、舞踊・無言劇(パントマイム)、美術、建築、図形、映画、写真、プログラム、などがあげられています。

こうした著作物には、「著作権」という権利を持つ著作権者がいて、許可なく他人が「複製」したり「上演」したりすることを禁止し、差し止める権利があります。ですから、舞台公演などで著作物を扱う場合には、著作権者に使用を願い出て、許可を得なければなりません(※注1)。

なお、著作物の使用にあたっては、例外として、非営利目的の上演や演奏で、観客から入場料等を受け取らず、実演家に報酬が支払われないならば、著作権者の許可なく使用することができます。

※注1 現実的に、個別に著作権者にあたって一つ一つ利用許諾を得ていくことには難しさがあります。そこで、権利を集中的に管理して契約窓口の一本化を行う団体が作られています。例えば、「JASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)」が多くの音楽について契約窓口となっています。こうした団体は各分野に存在し、そこを窓口として契約を行うことができます。

②著作隣接権

演劇などでは、「戯曲」「振付」「衣装・装置デザイン」「音楽」などは要素ごとに著作物と考えられているのですが、ダンサーの舞踊や俳優の演技、ミュージシャンの演奏といった表現は著作物には含まれません。

しかし、こうした表現は「著作隣接権」という名で、実演家(俳優、舞踊家、歌手など実演を行った者、実演を指揮した者、実演を演出した者等)の権利として保護されています。また、この著作隣接権は、レコード製作者(原盤制作者)や放送事業者、有線放送事業者にも付与されている権利で、その使用に際しては注意が必要です。

③肖像権

肖像権とは人の姿・形、及びその画像などにかかる権利のことですが、人格権であるプライバシー権と、財産権であるパブリシティ権があります。

前者は、すべての人に認められている権利で、被写体自身、もしくは所有者の許可なく撮影、描写、公開することは許されません。例えば、公演中の客席などを撮影して、顔など個人が特定できる写真を無断で雑誌などに掲載した場合、撮影された人に人格権侵害や名誉毀損等で訴えられないともかぎりません。

後者の財産権であるパブリシティ権は、有名人の肖像(及び氏名)がもつ顧客吸引力が経済的価値として認知されていることから成立している権利です。

例えば、人気タレントの写真集などはそれ自体、商品価値があります。一方で、著名人の写真が企業や商品等の宣伝に用いられると、見る人が魅力的に感じて売上が増加するかもしれません。著名人の肖像は経済的価値をもつため、それを無断で使用すると、パブリシティ権の侵害となります。したがって、利用にあたっては、許諾と使用対価の支払いが必要となります。

なお、チラシやポスターでアーティストの写真を使う場合には、肖像権の侵害といったこと以前に、所属事務所などに連絡し、そのアーティストが使ってほしい写真、広報用のブロマイドなどを使うのが一般的です。

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