平成28年度文化庁委託事業 劇場・音楽堂等基盤整備事業"情報フォーラム"
「劇場・音楽堂等における東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムを考える」

開会挨拶

田村孝子
(公社)全国公立文化施設協会 副会長

東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムへの対応について関心が高まる中、各地で戸惑いの声も聞かれます。芸術団体の方も同様だと思いますので、一度皆様と考えるために本日の場を設けました。

今日のテーマに関連して、背中を押してくれるような催しがあったのでご紹介します。「日本の響・草加の陣」(9月10日 草加市文化会館)というもので、和楽器の世界に新風を巻き起こしてきた太鼓奏者の林英哲氏をはじめとする6組の人気演奏家が一堂に会した、東京でも見られないすばらしいコンサートでした。邦楽・和楽器の世界に最近元気がないと感じた館長が作曲家・尺八奏者の中村明一氏に声をかけて実現したもので、最後は『TAKIOのソーラン節』で会場中が歌って踊りました。草加市ではこれを2020年までは毎年行うということです。劇場・音楽堂等、スタッフ、自治体、芸術家の方たちが熱意と意思をもてば、こうしたことが可能な時期に来ています。文化プログラムによって、皆様が日頃実現したいと考えていることが可能になるかもしれません。

ロンドンの文化プログラムについては皆様お聞き及びのことと存じますが、リオについては開会式と閉会式以外にはまだ情報が入っておりません。1964年の東京五輪でも相当のことが行われております。何を実現し、何を残せるかは皆様の熱意次第だと思います。皆様にとって今日がその出発点となり、何かを持ち帰っていただければ誠に幸いに存じます。

内丸幸喜
文化庁 文化部長

この場を通して、皆様の文化プログラムへの熱い思いが今後オリンピックに向けて結実していくことを願っています。

リオオリンピックで日本は史上最多数のメダルを獲得し、パラリンピックでも世界中の選手たちがすばらしい技を披露して大いに盛り上がりました。オリンピック・パラリンピックはスポーツと文化の祭典です。スポーツは世界共通ルールで競技を行いますが、文化は多種多様なものです。文化プログラムはそうした多様な文化の相互理解を図るために行われるものであり、国内外のいろいろな課題の解決のために不可欠なものだと考えます。

日本は島国で、複雑な地形をもち、世界でもまれに見る文化的多様性をもつ国だといわれます。この多様な文化を世界の方々に理解してもらうことは、さまざまな地域の活性化にもつながります。こうした機会を捉えて文化プログラムを実現していただけるよう文化庁も応援していきます。

文化プログラムの大きなテーマは、2020年以降の社会にレガシーを残すことです。従来、日本は経済大国といわれてきましたが、文化の面でも世界で活躍できる国を目指すためにも、文化プログラムに力を入れていきます。文化プログラムは10月に一斉にスタートします。4年という準備期間は短いものの、私たちもしっかり応援しますので、皆様にはすばらしい文化プログラムの企画をぜひよろしくお願いします。

平成28年度文化庁委託事業 劇場・音楽堂等基盤整備事業"情報フォーラム"

開会挨拶

基調報告

  1. 文化プログラムと劇場・音楽堂等
  2. 文化プログラムの実施に向けた文化庁の取組について

パネルディスカッション

  1. 東京都が主導する文化プログラムの考え方と取組み
  2. アーツカウンシルの設立に向けた新潟市の取り組み
  3. 障害者プログラムの考え方と事例
  4. 文化の力による心の復興事業 2~3の事例から
  5. 地方劇場における文化プログラムの考え方

質疑応答

意見交換

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